2016 年 版
家族は第二の患者と言われています。
がんの診断は本人だけではなく、家族など周りにいる人たちにとっても、大きなショックです。
がん家族経験もある私ですが、患者の方が楽!とさえ思いました。
愚痴がこぼせる相手がいるし、仲間との出会いや発見もあります。でも、家族は?・・・
私から見えないところで一生懸命、頑張って、我慢して、心を砕いていたのではないでしょうか?
大きな出来事のあとは、家族も一緒に心と身体を癒したいですね。お休みも必要。
手抜きも必要。張りつめていた心を一緒にほぐしましょう。
「どんな声のかけ方がいいの?」「傷つけないかな?」「心配だなぁ・・・」と、身近な存在である家族だからこそ、言い出しにくいことがたくさんあります。
本人にとっても、「家族にお礼を言いたいけど、どう伝えたら・・・」と、けっこうはずかしいものです。
お互いがお互いのことを大好きだからこそ、なにか「きっかけ」が欲しいはず。
思い切って、「温泉にでも行こうか?」とつぶやいてみましょうよ。女の人は家にいては休めませんから、あなたから外へ連れ出してみましょう。
温泉旅行、そういえば手術の痕が・・・。人によっては、初めての温泉デビューかもしれません。
「私のことなんか、わかってくれない!」と怒られる前に、先回りをして、「せっかくだから、贅沢しちゃって!」と、温泉付きのお部屋を提案してみてはどうでしょう。
「個室なら人目を気にせず入れるし、実はボクもその方がいいなぁ!」と背中を押しやすいかも。
ピンクリボンのお宿ネットワークの冊子にはクーポン券もついています。
一緒にページをめくりながら、少し羽を伸ばしに行きませんか?
男湯と女湯は別々です。
温泉デビューを終えたあと、女湯の入り口にあるのれんをくぐったら、大切な人が外で待っていてくれた。
ちょっとうれしいですよね。冷たい飲み物を飲みながら、一緒にがんばってきた道のりを振り返ることもできます。
出口の小さな待合室、足湯など。こんなちょっとした仕掛けが有難いものです。
小さな幸せを見つけて、心も体もほっこりしそうですね。
※本コラムコーナーでは「ピンクリボンのお宿」冊子に過去掲載したコラムを再編集し、ご紹介しています。
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